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ぼくの とうちゃん

2003年製作

可児手づくり絵本展 優秀賞受賞作品

              (テーマ:あな)

 

 

 

みんな、ぼくの かおを みて

わらうんだ。

それは

 

はなの あなが おおきい から。

とうちゃんの はなの あなも おおきい。

 

「ぼくが わらわれるのは

 とうちゃんの せいだ!!」

そういったら とうちゃんは

 

「とうちゃんの はなの あなには

 なにが はいっているか しってるか?」

 

と きいた。

ぼくは
 
「そんなの はなくそに きまってる!」
 
って おもったけどだまっていた。

「とうちゃんの はなの あなには

 

 ゆめと ロマンが

 

 つまっているんだぞ。」

「つまりな、
 
 むげんの うちゅうが
 
 ひろがっているんだあぁぁぁ~」
 

「じつは これは

 

   ないしょの はなしなんだが・・・」

とうちゃんは そういって

 

   はなの あなを ふくらました。

 

 

「じつは

 とうちゃんの しょうたいは

 

 せいぎの みかた

 

         ブータマン!!

とうちゃんの はなの あなは
せかいじゅうの はなの あなと
つながっているんだ。
 
だれかに きけんが せまると
とうちゃんは ブータマン にへんしんして
そのひとの はなの あなから とびだし
あく を やっつけるんだっ!!」
 
 

「それから これも

 

  ないしょの はなし なんだが・・・」

とうちゃんは そういって

 

また はなの あなを ふくらました。

「そのむかし、とうちゃんは ブータマンに へんしんして

 かあちゃんの きき を すくったんだ。

 

 それで まあ、

 かあちゃんが とうちゃんを すきになってだな、

 ふふふ・・・・

 

 けっこん したわけだ。

 ふふふ・・・♥」

 

  そういって とうちゃんは また

  はなの あなを ふくらました。

ほ、ほ、ほんとかなあ・・・

そのよる、

ぼくは とうちゃんと ならんで ねた。

 

「とうちゃんは いつでも

 せいぎのみかた ブータマン にへんしんして

 おまえを たけすに いくからな!」

 

とうちゃんは そういって

ぼくの てを にぎりしめ

 

・・・・ぼくより さきに

   ねてしまった。

 

ぼくは、

くらやみの なかで

とうちゃんの はなの あなを

じっと みていた。

 

 

 

 

       ほんとかなあ・・・。

つぎの ひは えんそく。

 

みんなで あるいていたら

あまぐもの たいぐんが

やってきた!

 

「あめ! ふらないで!

 あまぐも なんて あっちへ いけっ!!

 

って おもったら

はなの あなが むずむずして

 

は、は、は、はっくしょん

 

そしたら あまぐもは

ぜんぶ とんでっちゃった!!

 

 

おべんとうを たべてたら

 

こんどは

ハチの たいぐん!!

「ハチ! こわいよぉ~」

 

いそいで にげようと したら

また はなの あなが むずむずして

 

は、は、は、はっくしょん

 

そしたら

ハチは ぜんぶ とんでっちゃった!

ぼくは

ヒーローに なった!

 

 

これって ぜったい

ブータマンが ぼくを たすけてくれたんだ!

 

はなの あなから

ぐんぐん ちからが わいてくるぞ!

 

すごいぞ!ブータマン!!

 

すごいぞ!とうちゃん!!

ぼくの はなの あなにも

 

ゆめと ロマンが

つまっているのかな。

 

むげんの うちゅうが

ひろがっているのかな。

おおきくなったら ぼくも

 

せいぎのみかた ブータマン 

 

なれるかな。

 

ぼくは

 

この おおきな はなが

 

        だいすき。

だって

 

とうちゃんと

 

     にてるから。

 

 

おしまい🐽

 

最後まで 読んでいただき

ありがとうございましたm(__)m

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